首都奪還・28~声を上げて

首都奪還・28~声を上げて





甘い、匂い。

赤子を抱いた時に香るあの、匂い。
開けた胸元から強く、香る…

子供二人に乳を与えるその場所は、子を成す前よりも少しふくよかで…
先を舐めると、白い乳が少しだけ滲む

「駄目、よ…もう直ぐあの二人…起きちゃうわ?
それに胸をあんまり弄ってると、身体の方が勘違いして…その、出て来ちゃうし…」

妻はそう言って自分の身体を俺の腕の中から引き剥がそうとする

「別に吸ってる訳じゃない。
ただ…確かめているだけだろう?」

言いながら形を確かめる様に舌で曲線をなぞり、両手でその二つの膨らみに触れる

「もう、駄目だってば…、本当に止めて?」
妻はそう言って困ったように此方を見るが…その顔は本当に嫌がっている顔では無くて

「止めて…良いのか?
明後日、此処を立つ…暫く、戻っては来れん。」

その顔を覗きながら言う
「…首都は奪還したんでしょ?
貴方が必ず行かなくちゃいけないの?」

妻は自分が一番分かっているであろう質問を、何故か此方に振る

「分かってるんだろう?答え位…」
その瞳を見ながら言うと、瞳は辛そうな瞳に変わる
その女(ひと)に向かって話す

「チュンソクが…天女の力を貯えて来いと、送り出してくれた。
でなければ、此処には寄れず、そのまま出立する筈だった…」

妻に向かって言うと、妻は驚いたような顔をした

「誰が天女?私はただの…女だわ?
何の力もないもの…」

そう言って妻は表情を曇らせる

「本当にそんな天女の力があるなら…幾らでも貴方にあげたいけど…」
言って、此方の胸板に自分の頬を寄せる

「あの男は…俺と貴女が陰と陽なのだと言って居った…
鬼と、天女…相反する物だが、上手く交わればその力は二倍にも三倍にも大きくなると、そう言って疑わないのだ…」

妻の肩を抱き、妻の髪の上に自分の頬を押し付けるとその場所から妻の匂いが鼻腔に入り込む

此処から香るのは甘く…花のような匂い。

妻が今度はクスクスと笑いだす
「チュンソクさんって…たまに乙女チックよね…ふふふ
ファンタジストと言うか…空想力が強いと言うか…。」
言ってまた笑う

「また…あちらの言葉を不用意に使うなと…だが、妙にチュンソクの想像力が逞しい事は認めるがな。」

そう言って笑って見せると、妻もまた笑う
何かを思い出した様で…

「そう言えば…昨日、チュンソクさん夕方にこの屋敷に来たのよ?」
言って妻は俺の方を見る
「…それは…俺の知らん事だ。」

伝えると、妻は何故か頷きながら続ける

「うん、そうだって言ってた。
忙し過ぎる貴方に変わって様子を見に来たって言ってたし…
貴方と仕事を代われるならば、代わってあげたいって言ってたわ?
幾ら忙しいからって髭は伸ばしっぱなし、髪の毛も伸ばしっぱなし…
まるで高麗軍の大将に何て見えないような格好で幕と皇宮を行き来してるって心配してた。」

そうやって言ってるチュンソクの様子が手に取る様に想像でき…苦笑いをする

「まるで…女房って言うより、お母さんみたいね?ふふふ…」
言って、妻は何とも可愛らしく笑う

余りに可愛らしく…嬉しそうに笑う妻を見ていると自分の中のそれは、強く主張を始め…

ずっと…離れていた事もある、子が生まれてから暫く妻を抱くをしておらず、しかも、そのまま分かれてしまった事もあって…
無性にこの腕の中の人を抱き締めたくて…

その先も…と願ってしまう

笑っている妻の身体を自分の両腕で力一杯抱きしめる
細い腰が折れてしまうかもしれないと、思う程強く

妻は此方の思いを分かっているのか…ただ無言で抱かれて、此方の言葉を待つ

「ヨン?」
そう呼ばれて…咄嗟に自分の思いが口から洩れた
「後生だ…うんと言ってくれ…」

そう、伝えると妻は強く抱かれて動き辛いだろうに、少しだけ身動ぎをして俺の首筋を吸う

その場所で、何度か音を立てて施される口付けの後…長くなって縛っても尚、耳の横から漏れ出た髪の毛の束に顔を埋めて言う

「甘えんぼさんね…でも、二人が起きてテマン君が呼びに来たら…やめてくれる?」
そう聞かれる
「自信は無い…」

本心がまた、口から洩れる

「しょうがない人…、じゃあ、テマン君が私を呼びに来たら…二人を迎えに行って?
私、この後貴方に身ぐるみ剥がされちゃうから、ね?」
そう言って妻の両腕が自分の首に回される

大きく息を吸い、妻の香りを胸一杯に肺に入れ…

「承知した…テマンが迎えに来たら、俺が二人を連れて来る」
そう言うと妻が「じゃあ、…いいわ。」と言った

その言葉に呼応する言葉はもう、自分の口からは出て来る事は…無かった。





此処から秘密の部屋へ…→♥







※ただし、私事の用事の関係で、秘密の部屋のお話は今日の夜になるか、明日の朝になるのか…
今のところ未定です。
書きあがりましたらまた、お知らせしますね(^^;)
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by 2540hnnhk | 2017-06-19 14:37 | 紅い洪水、蒼い雪崩 | Comments(0)

「信義~シンイ~」に魅せられてその後のお話を綴っています。イラストも描きたい物を描いています


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